

土木一式工事とは
「総合的な企画、指導、調整のもとに
土木工作物を建設する工事」とされています。
二つ以上の専門工事を有機的に組み合わせて、
独立の使用目的のある土木工作物を造る工事だけでなく、
工事の規模、複雑性からみて総合的な企画、指導および調整を
必要とし個別の専門的な工事として施工することが困難と
認められる工事などが土木一式工事であるとされています。
他の26の専門工事と異なる点として以下の3点があります。
@元請業者の立場で
以下(a〜e)の様な総合的なマネジメントを必要とする工事であること。
a 施工計画の総合的な企画
b 工事全体の的確な施工を確保するための工程管理及び安全管理
c 工事目的物、工事仮設物、工事用資材等の品質管理
d 下請負人間の施工の調整
e 下請負人に対する技術指導、監督等
⇒ 以上のように、元請業者の立場で総合的にマネジメントする
ゼネコンのような事業者向けの 許可業種です。
民間工事における一括下請負
(発注者から書面による適正な承諾を得た場合)や、
個別の専門工事として施工することが困難な建設工事など
一部の例外を除き、原則として下請工事を請け負う場合は
一式工事には該当しません。
A 大規模かつ複雑で、専門工事では施工困難な建設工事であること。
⇒小規模な建設工事は含まれません。
面積や請負金額など明確な基準がないために、
大規模か小規模かの判断は非常に難しいです。
請負金額200 万円以上とされた時期もあったようです
が現在はそのような基準はありません。
B 複数の専門工事を組み合わせて施工する建設工事であること
⇒主体となる工事を施工するために必要となった工事
(附帯工事)を行ったとしても、複数の専門工事を
組み合わせて施工したとはみなされません。
土木工事の具体例
●ダム建設工事
●空港建設工事
●PCコンクリート工事のうち橋梁などの土木工作物を総合的に建設する工事
●道路開設工事
●大規模な宅地造成工事
⇒ 一般住宅の宅地造成工事は、「とび・土工・コンクリート工事」
●公道下などの下水道の配管工事
⇒公道下などの上水道工事は「水道施設工事」
土木一式工事業の許可に関する注意点
土木一式工事の許可を受けていれば、
他の土木系の専門工事も全て請負うことができると
誤解されている方もおられますが、
とび・土工・コンクリート工事や舗装工事業などの専門工事を請負う場合は、
その専門工事の許可を受けていることが必要です。
また、総合的な企画、指導、調整とは、
一般的に、元請業者が複数の下請業者に対して行う業務の事を指します。
そのため、原則として下請工事を請け負う場合は一式工事には該当しないので、
土木一式工事業の許可を持っていても請負金額が500万以上の下請工事を行う場合、
その工事に該当する専門工事の許可が必要となりますので、
必要であると予想される専門工事の許可も併せて申請するようにしましょう。
(法第7条第1号イ該当)
●土木一式工事業に関して5年以上経営業務の管理責任者
(法人の常勤役員、個人事業の事業主本人または支配人登記された支配人)
としての経験を有していること。
(法第7条第1号ロ該当)
●土木一式工事業以外の建設業に関して7年以上経営業務の管理責任者
(法人の常勤役員、個人事業の事業主本人または支配人登記された支配人)
としての経験を有していること。
(法第7条第1号ハ該当)
●土木一式工事業に関し、
経営業務管理責任者に準ずる地位にある者として以下のいずれかの経験を有している者。
@経営業務管の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から
具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として5年以上
建設業の経営業務を総合的に管理した経験
A7年以上経営業務を補佐した経験
土木一式工事業の専任技術者の要件
一般建設業の場合
(法第7条第2号イ該当)
@土木一式工事業に係る建設工事に関し、
学校教育法(昭和22年法律26号)による
高等学校もしくは中等教育学校を卒業した後5年以上
または同法による大学もしくは高等専門学校を卒業した後3年以上
実務の経験を有する者で、以下の指定学科
土木工学(農林土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地又は造園に関する学科を含む)
都市工学、衛生工学又は交通工学に関する学科を修めた者。
(法第7条第2号ロ該当)
A土木一式工事業に係る建設工事に関し10年以上の実務の経験を有する者。
(法第7条第2号ハ該当)
@建設業法による技術検定のうち
検定種目を建設機械施工又は1級の土木施工管理
若しくは2級の土木施工管理(種別を「土木」とするものに限る。)
とするものに合格した者。
A技術士法(昭和58年法律第25号)による第二次試験のうち技術部門を
建設部門、
農業部門(選択科目を「農業土木」とするものに限る。)
森林部門(選択科目を「森林土木」とするものに限る。)
水産部門(選択科目を「水産土木」とするものに限る。)
又は
総合技術監理部門(選択科目を建設部門に係るもの、
「農業土木」、「森林土木」又は「水産土木」とするものに限る。)
とするものに合格した者。
特定建設業の場合
(法第15条第2号イ該当)
@建設業法による技術検定のうち検定種目を
1級の建設機械施工又は1級の土木施工管理とするものに合格した者。
A技術士法による第二次試験のうち技術部門を
建設部門、
農業部門(選択科目を「農業土木」とするものに限る。)
森林部門(選択科目を「森林土木」とするものに限る。)
水産部門(選択科目を「水産土木」とするものに限る。)
又は
総合技術監理部門(選択科目を建設部門に係るもの、
「農業土木」、「森林土木」又は「水産土木」とするものに限る。)
とするものに合格した者。
(法第15条第2号ロ該当)
B「指定建設業」
土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、
ほ装工事業及び造園工事業については該当者なし
(法第15条第2号ハ該当)・・・平成元年1月30日建設省告示第128号 参照
C国土交通大臣がイ又はロに掲げる者と
同等以上の能力を有するものと認定した者。
次の(1)から(3)のすべてに該当する者で
国土交通大臣が建設業法第15条第2号イに掲げる者と
同等以上の能力を有すると認める者。
(1) 建設業法の一部を改正する法律
(昭和62年法律第69号。以下「法」という。)の施行の際に
特定建設業の許可を受けて当該建設業を営んでいた者の専任技術者
(建設業法第15条第2号の規定により営業所ごとに置くべき専任の者をいう。)
として当該建設業(土木一式工事業)に関しその営業所に置かれていた者
又は法施行前1年間に当該建設業に係る建設工事に関し
監理技術者として置かれていた経験のある者であること。
(2) 当該建設業(土木一式工事業)に係る昭和63年度、
平成元年度又は平成2年度の一級技術検定を受検した者であること。
(3) 財団法人全国建設研修センター及び社団法人日本建設機械化協会の行う
平成元年度又は平成2年度の土木技術者特別認定講習の効果評定に
合格した者であること。
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